発表者:新揚科技 発表時間:2014/3/29 17:06:34
灯具有効平均照度の計算方法
灯具の明るさを表示するには、通常はルーメン値(LM)で表示し、ルーメン値は高ければ高いほど灯具が明るいと思われていますが、実際の使用では、灯具の明るさを判別基準は単にルーメン値ではなく、有効平均照度です(単位はLx)。
ルーメン値は灯具自身の性能を反映する数値で、実際の使用条件と関係ないです。有効平均照度は使用環境(取付場所、取付の高さ、反射率)などいろいろな情況を考え入れ、機械で使用現場を模擬して測定したデータです。ですから、灯具が実際使用中の性能を反映するのは有効平均照度図です。
例えば、案件場所はどのぐらいの灯具が必要ですか、取付高さ、照射角度、灯具の取付ピッチがどのぐらい設定してよいでしょうか、これは有効平均照度の数値に頼ります。
しかし、製品毎に機械で測定するのはコストが高いから、毎回機械で測定するのはあまり現実ではないと思います。参考用として、灯具の有効平均照度を計算することができます。
新揚科技の500W高輝度投光器(品番SYT-TGD-500W-H)を例として説明させて頂きます。

下記は新揚科技SYT-TGD-500W-Hの有効平均照度図です。(機械測定データです。)
上記データから見れば、測定全光束は44593LMありますが、下の光束出力は12933LMしかありません。どうしてこのような大きな差がありますか。
上記の問題を解明するには、先ず各表示の意味を解読しなければなりません。
●測定全光束は測定の時、灯具が実際に発出した明るさで、全光束です。(44593LM)
●光束出力は実際取付の情況を模擬して、有効に利用できる明るさで、有効光束です。(12933LM)
灯具が実際取付の時、光束が全部利用できるわけではありません。 ですから、正確の平均照度を計算する時、全光束のデータを採用ではなく、この有効光束のデータを用います。
有効光束=全光束Φ× 空間利用係数(CU)× 光損失係数(K)
●空間利用係数(CU) は灯具から発出した光はどのぐらい(%)照射面に届けるのかを表示する係数で、灯具の設計、取付高さ、空間の大小、反射率などにかかわります。一般室外(サッカ場など)の係数値は0.3~0.4ぐらいです。
●光損失係数(K)は灯具が一定の時間を経て、照射面に届ける光と新規取付灯具が同じ照射面に届ける光の比です。一般的は0.8です。
ですから、今回の空間利用係数(CU) を0.35として、光損失係数(K)を0.8として、
有効光束=44593LM×0.35×0.8=12486LM
機械直接測定の12933LMと近いです。
平均照度(Eav)= 有効光束×灯具数量(N)÷照射面积
有効平均照度図の10mを例として、灯具1個で、照射面直径は545.17cmで、面積はπR2=23.34m2
ですから、平均照度=12486LM×1÷23.34=534.9Lx
機械直接測定の535.3Lxと近いです。
また、有効平均照度について、もう一つ面白いことがあります。
次は新揚科技500Wと300Wの高輝度投光器の有効平均照度図を見てください。
SYT-TGD-500W-H-25° SYT-TGD-300W-H-60°

(サイトを拡大すればはっきり見えます)
上記有効平均照度図から見れば、
500W-25° ⇒ 光束出力 12933 LM
300W-60° ⇒ 光束出力 18531 LM
500Wは300Wよりパワーがより高いのに、どうして光束出力(有効光束)は逆に300Wのより低いですか?
下記の図面を見れば分かると思いますが......
有効光束=全光束Φ× 空間利用係数(CU)× 光損失係数(K)
空間利用係数(CU) は灯具から発出した光はどのぐらい(%)照射面に届けるのかを表示する係数で、灯具の設計、取付高さ、空間の大小、反射率などにかかわります。
上記図面から見れば、10mを例として、60°の照射範囲がより広いから、照射面に届ける光はより多くなり、空間利用係数(CU) の値も25°のより高くなり、0.8ぐらいになります。
ならば、500Wと300Wのデーター 一覧表を見ましょう。
消費電力
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500W
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300W
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照射角度
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25°
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60°
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全光束
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44593 lm
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28602 lm
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光束出力(有効光束)
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12933 lm
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18531 lm
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10mの平均照度
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535 lx
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227 lx
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10mの照射直径
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545.17 cm
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998.02 cm
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空間利用係数 CU
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0.35
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0.8
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光損失係数 K
|
0.8
|
0.8
|
上記データーによって、500Wと300Wの有効光束を計算してみます。
有効光束=全光束Φ× 空間利用係数(CU)× 光損失係数(K)
500W-25°有効光束=44593LM*0.35*0.8=12486LM (上記測定値と近い)
300W-60°有効光束=28602LM*0.8*0.8=18305LM (上記測定値と近い)
この計算結果から見れば、10mぐらいの高さで、300W-60°の有効光束は500W-25°のより高いです。
平均照度(Eav)= 有効光束×灯具数量(N)÷照射面积
500W-25°の照射面積はπR2=23.34m2
300W-60°の照射面積はπR2=78.5m2
500W-25°平均照度=12486LM÷23.34m2=534.9LX (上記測定値と近い)
300W-60°平均照度=18305LM÷78.5m2=233LX (上記測定値と近い)
上記計算から見れば、一定の高度範囲で、60°の有効光束は25°のより高いです。あまり高くない場所で、60°のほうがいいです。25°は光を集中して、遠いところまでも届けられます。遠距離照射の場合は25°のほうがいいです。
有効平均照度計算の説明は以上です。他に何か御不明な点がございましたら、お気軽に下記の連絡先にてお問い合わせください。
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